山の祭りに参加した話

子供が親に日々の出来事を全部話したがる気持ちが初めて分かったような気がする。
俺の話が一段ついた時父は少し寂しそうな顔をしたごめんもっと一緒にいたいけどそろそろ時間みたいなんだ時は歩みを止めてくれなかったでも嫌だと駄々をこねたところで詮無いこと大事な人に心配をかけるだけは分かっている。
藁って見送ろう口惜しいよお前たちの力になってやれなくて大丈夫任せろよ俺が入るそうなんだもの俺は親指を立て父に向かって偉そうに大見得を切った安心したように頷く父に母がとても優しい眼差しを向け父が最上級の笑顔を返すじゃあそろそろ行くよ父は踊りの輪の方を向いた父さん呼びかけずにはいられなかった。
父が振り返る俺二人の子供でよかった本当にそう思った父は嬉しそうに笑いそのままは煙のようにスーッと姿を消した母はしばらく無言で父が姿を消したあたりを見つめていたがやがて諦めたように首を振り帰りましょうと俺を促した翌朝まだ眠っている母を部屋に置いておく木舟橋のたもとまで行ってみた。
昨夜の橋の袂を食っと左へ俺山の中に入る細い道はやっぱりなかったあの老人が入っていた山祭りはと気が合わねばならないのだとそれは俺たち親子が見た幻だったかもしれないでも会いたい人に会え伝えたいことを伝えられた幸せな旅だった