もう家庭教師はいらない

そんな中、ある五月から「もう家庭教師はいらない」と言われ、それが誰なのかを見分けるため、風太郎は様々な方法で区別方法を探るのでした。その方法の一つに、祖父が関わってきます。風太郎は、祖父に区別方法を教えてくれと懇願すると、祖父曰く、見分ける方法は「愛」とのこと。しかし、風太郎はその手の話は、姉妹からも聞かされており、うんざりしています。ただ、この祖父が言う「愛」は姉妹を「好き」になるということでなく、声や癖、しゃべり方などそれぞれの特徴を「知る」こと、それが祖父の言う「愛」ということで、出会って、約半年の風太郎には難しいのは当たり前の難題でした。祖父は続けて、風太郎に対し、「見分けて何がしたい。孫たちと向き合う覚悟はあるのか」と問います。風太郎は神妙な顔つきになり考えます。